服装はビジネスにおいても自己表現の手段だ
先日、クライアントの社長を、別の社長にお引き合わせする場を設けさせていただいた。
新規事業を始めるにあたり、すでにそれの事業をされている方にお話を伺うという場。
先方の社長のオフィスでお話を伺うことになっていたので、クライアント社長と時間を合わせ、現地集合にしていた。クライアント社長は時間前に到着し、緊張した面持ちで待たれていた。
ボクが合流し、さあ行きましょうか、ということで先方のオフィスの中へ入るや否や、先方の社長がブチギレている。
最初はそういうキャラの社長で(関西やったら割とよくある)、パフォーマンスかと思っていました。ボクも「またまた~」という感じでニコニコしていたのだが、どうやら本気らしい。
なんで?
頭を高速回転させて理由を考えた。
時間には間に合ってるよな?そもそも集合は10時であってるよな?服装は・・・
あっ!
服装だった。
クライアントはポロシャツにスラックスで来られていたのだが、どうやらそれが気にくわなかったらしい。
「あれが人に話を聞きに来る服装か」と。
まあまあお怒りになられていたということで、その場はもう取りやめにして、解散した。
炎天下の中タクシーも使わず汗だくで歩いて行ったのに、とんぼ返りかい!というボクの憤りは置いておいて、この件に関して気付いたことがあったので、記憶が新しいうちにメモしておこうと思う。
まず結論としては、これで良かったのではないかと思っている。
ひとことで言うと、この二人はそもそも価値観が異なるから。
服装というのは表現の一種なので、割と個々人の価値観が出やすい。
今回の件で言うと、ボクは完全にポロシャツを着てこられた社長側の価値観を持っている。つまり、真夏のくそ暑い中スーツにネクタイを着用し、ダアダア汗をかきながら訪問するよりは、涼しい恰好で爽やかに訪問し、気持ちの良い姿勢でよくよく話を聞く方が礼儀として良いと思っている。
ただし一方で、暑さを我慢しながらネクタイを締めた状態で話を聞くことこそが礼儀なのだと思っておられる方もいる。
これはどちらかが間違っているという訳ではなく、価値観が異なるだけだ。
こういう場合、例え引き合わすことができたとしても、ビジネスで上手くいく可能性は低い。基本姿勢が違うのだから。
今回の件も、入口で破断してしまって逆に良かったんじゃないかと思う。
そしてボク自身の教訓として、こういう風な考えを持つ人もいるので、服装というのは話す機会も与えらえず一発アウトになるくらいのものだということは学んだし、良い気付きにはなった。
無個性に無難なスーツを着るという選択肢もあるのだろうけど、逆に、付き合う人を絞っていくという観点では、服装でキチンと自分の価値観やスタイルを表現して、「これに合わない人は近づいて来ないでくださいね」という風に示すことも大事だなあと思う。
ボクの場合むしろこっちやね。
たくさんの人がいて、色んな人と接する中で、全員に好かれる服装や態度を取っていても仕方がないし、きっと上手くいかない。
気に入ってくれた人、価値観が合う人と出会い、そういう人と深く付き合っていくためにも、自分のスタンスはしっかり表明した方がいいだろう。
価値観の合う人と仕事をしよう。
ではまた!